小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「ちょっと冷たいですよ。」


そう言われ返事をする間もなく突然なにか冷たいものが入れられた。


妊娠初期は赤ちゃんの姿を超音波で見るのには膣内から見る。

お腹から見るには小さすぎるらしい…。



「うん。いるね。」



先生はそう言った。



やっぱり…現実だったんだね…。

今まで漠然としていた事実が現実に変わる。






―――その時。






カーテンの横からちらりと超音波のモニターが見えてしまった。






そこには…






まだ人間ともわからないような小さな影が、
しっかりと映っていた…。




「…それ…」


思わずつい口からこぼれた言葉。


「赤ちゃんですよ。…動いてるね。」


小さな体でピョコピョコ動いているのがわかった。



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