小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
翌日は雨だった。
蒸し暑くてダルい感じ。
急に思い出した。
あの日も───、
妹のチカが生まれた日もこんな蒸し暑い雨の日だった。
その日は6月なのにひどく暑くて、
それなのに梅雨らしくきちんと雨が降っていた‥‥。
オギャー‥‥
オギャー‥‥
聞こえてきた産声に立ち上がった。
「おめでとうございます!女の子ですよ!」
助産婦さんが分娩室から出てきて笑顔で言った。
「ありがとうございます!」
オトウサンはその助産婦さんに頭を下げると私に向き直って言った。
「ナナも今日からお姉ちゃんだな!」
「うんっ!」
8才の私は元気に返事をする。
病室に行くとお母さんの隣にものすごく小さい赤ちゃんがいた。
───私の妹。
───私の姉妹‥‥。
名前だってとっくの昔に決めていた。
私が“ナナ”だから“ハナ”にしようってオトウサンと約束してたの。
姉妹らしくお揃いの名前にしようって。
なのに───
蒸し暑くてダルい感じ。
急に思い出した。
あの日も───、
妹のチカが生まれた日もこんな蒸し暑い雨の日だった。
その日は6月なのにひどく暑くて、
それなのに梅雨らしくきちんと雨が降っていた‥‥。
オギャー‥‥
オギャー‥‥
聞こえてきた産声に立ち上がった。
「おめでとうございます!女の子ですよ!」
助産婦さんが分娩室から出てきて笑顔で言った。
「ありがとうございます!」
オトウサンはその助産婦さんに頭を下げると私に向き直って言った。
「ナナも今日からお姉ちゃんだな!」
「うんっ!」
8才の私は元気に返事をする。
病室に行くとお母さんの隣にものすごく小さい赤ちゃんがいた。
───私の妹。
───私の姉妹‥‥。
名前だってとっくの昔に決めていた。
私が“ナナ”だから“ハナ”にしようってオトウサンと約束してたの。
姉妹らしくお揃いの名前にしようって。
なのに───