小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「…しかしその強情なとこ、お母さんそっくりね。」


そう言って笑うと私の頭をポンと優しくたたいた。



「…赤ちゃんのお父さんは誰なのかも、教えないつもりなんでしょ…?」



「……ごめんなさい。」



そんなこと、許されないってわかってる。

でも、それでも言えない。
それを承知だけど、言えないの。



お母さんは大きくため息をつくと言った。



「お父さんにも今夜言うのよ?…おじいちゃんになるんだ、って。」


…あ…!


そうだった…!



「あぁ見えてもナナのこと心配してるのよ?わかってあげてね?」



「うん…。」



オトウサン、何て言うだろう…?

怒ったり、するのかな…?

でも、きっとわかってくれる。



今なら、なんだかそう思える…。



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