小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
先生も驚くスピードでお産が進んだ。




分娩室に移動する。




分解しそうな体を必死に分娩台に乗せた。




「…ッ…」




ゆっくり


ゆっくり…


焦らない。


あまりの痛さに目をつぶる。






―――ガンバレ!!



―――ガンバレ…私!



ガンバレ…赤ちゃん…!!





「…ウーン…っ!」






先生の指示に、思い切りいきむ。






それでもなかなか赤ちゃんは産まれてこない。


赤ちゃん…


私の赤ちゃん。


…誰の子だってかまわない…!


無事に…


無事に産まれてきてさえくれれば…


ただそれだけで…


ママは、


それだけでもうで十分だよ…?







―――その時。





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