小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
『ゴメン‥』


私はその台詞を頭の隅っこで聞いていた。

普通に受け入れられなくて、
心のどこかで嘘だと思いたくて。



あれから30分たっても1時間たってもハルトからの連絡は来なかった‥。



そして‥



連絡が来たのがたった今‥。



もう‥



私の誕生日は終わってしまったよ‥?


すでに時刻は0時を回ってしまっていた。


言い訳をしてくれるのだろうか?


それとも言い訳すらしてくれないのだろうか‥


何か言いたいのに言葉が出てこない。

涙が出そうになって歯をくいしばる。



『‥‥ナナ‥ゴメン』



ハルトは繰り返す。


違う!!


そんなこと聞いてない!


『もう‥いいよ‥』


つい強がってしまう。

ホントは辛くて泣きそうなくせに‥‥。



『明日‥明日やり直そう!7時に迎えに行くから!』

『‥うん‥』


気まずいまま電話を切ると洪水のように涙が溢れた‥‥。







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