小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
12時。

───モチロン夜中の12時。

マユと私はケータイ片手に公園のベンチに座ってた。


「絶対アレ女からのメールだよね〜!」


サーファー男とのカラオケは10分前に終了した。
片方の男にやたらとメールが入りだしてそわそわし始めた。
そして───お開き。


「かもね〜なんかダサいね。」

「完全に尻に敷かれてるし!」


どうでもいいサーファー男の話をして

どうでもいいカラオケをして、


12時。


私にもマユにも彼氏がいた。

私は同じクラスのサトル。

マユは同中だけど他校のタメのタケシ。

でも私にとってはなんだかどうでもよくて。

淋しさを紛らわすように付き合っていた。


マユはタケシのことが本当に好きなんだと思うけれど

「今は遊びたい」

って適当に遊んでる。


マユが「ウチらもそろそろ帰ろっか」って言ったのを合図にしたようにタケシからメールが来た。


なんか通じ合ってるみたいで羨ましかった。


私は───?


…ひとり。


私は笑顔で手を振って暗い闇へと歩きだした‥‥。




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