小さな花 〜あなたを愛した幸せな時間〜
「いいかげんにしなさい!」


お母さんの怒りはピークに達する。


「い−じゃん!私がどこにいたって、…死んだって、お母さんにはカンケーないし!」


「ナナっ!!!」


「そのほうが嬉しいクセにっ!!」



「そんなことあるはずないでしょう!!」



「生まれてきてゴメンねっ!」



私はそう言うと階段を駆け上がった。


「ナナ!!」


後ろ姿にお母さんの声を聞きながら急いで部屋の中に滑り込む。



むかつく、

むかつく、

むかつく!!!



私のことなんて心配じゃないくせに!


どうせ私なんて、いないほうがいいと思ってるくせに‥‥!!


───ホントはそんなことあるはずないって思ってるくせに、15才の私はそう思い込むことで自分を保っていたのかも知れない。


とにかく…


この時は。



「死んじゃえばいいんだ。私なんて‥‥。」


一人きりの部屋でつぶやく。


ペン立てから1本のカッターナイフを取り出す。



そして刃を出すとカチカチと部屋に響き渡るカッターナイフの音‥‥









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