さよならなんて。
まだ春の雰囲気が残る
五月の朝は肌寒くて
薄いパジャマ一枚の私は
ブルッと身震いをした。
「今日お祭りか……。」
地元で開かれる小さな祭り。
行く気はなかったけど
どうしようかな……なんて
考えながら自室から
リビングへ降りる。
まだ親は起きてきていない。
冷蔵庫にチーズがあるのを
見つけた私はそれを
ぱくりと食べ、ニュースをつけた。
同じような内容を淡々と
読み上げるキャスターを尻目に
水を一杯だけ喉に流し込んだ時、
ぴろんっと通知音が鳴り
LINEが入ったことを知らせてくれた。