管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
「蒼真さん、ご結婚は??彼女さんとかいらっしゃるんでしょう??」
室内を見渡す。家具は至ってシンプルなものばかりで、必要なものしかなさそうだ。
「一人暮らしにしては広い部屋ですよね。お掃除とかも大変でしょう」
塵ひとつ落ちていない。
小説らしいハードカバーの本もきれいに納められ、几帳面さが窺える部屋だ。
「……大きなお世話だ。じろじろ見るな」
なぜかまた、ムッとする。
触れるなオーラを感じ、話をそらす。
「…空き地も、譲り受けたんですが、どうしたらいいですかね」
「俺に聞くなよ」
「参考までに、です」
「そりゃあ、場所にもよるがこの辺なら、更地にしてパーキングにでもしちまえば、元手も知れてるし、未納で逃げられる心配もねえよな」
「あっ、なるほど」
「ま、防犯カメラくらいはいるだろうがな」
「勉強になります!!」