管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
「…じ、じゃあ、帰りますね。明日も早いので。これ、部屋の鍵です」
「えっ!?どういう意味ですか?!」
「私がここの管理人ですから」
「そうなんですか!?」
というか、どこから鍵をもらうつもりだったのか。
まあ普通、建物のどこかの部屋に住んでると思うか。
大抵、どういう人間かを見るためにも立ち会うものだけれど。
管理人らしい人間は出てきていないのだから、もう少し早く疑問を持ってもいいはずだ。
「じゃあ、また毎日会えるんですね!!運命感じます!!」
私が当時、どれだけその言葉に舞い上がったかなんて、あなたにはわからないでしょうね。
「いえ、私は住んでいないので。たまに様子見に来たり、家賃の受け取りに来るくらいです」
ふと、
「そうだ!!絢ちゃんこそフリーだったら、いっそここで一緒に住もうよ!!」
「はい??」