管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
壊そう
掃除が終わり、外に出ると蒼真が帰ってきた。出掛けていたようだ。
「あっ、お疲れ様です」
「おう…」
社交辞令的な挨拶をすると、
「あのっ、ここ、出られるんですか??」
それくらいは話しても差し障りないだろう。
「はあ!?何の話だ!?出ていかねえって…」
思わず口走り、あっとなる。
南科の前で、言い方には気を付けなくては。親しいと思われる。
「えっ!?だってさっき…」
「何の話??」
なんとなく、まずいと思った絢は、話をそらした。
「あっ、今日は家賃の受け取りと、空き部屋のお掃除に」
「そうですか、大変ですね管理人さんも」
会話が空々しい。
「これから食事に行こうと思うんですが、お時間あったら一緒にいかがですか?」
「デートのお邪魔をする趣味はありませんので」
作り笑顔で応える。
「蒼真さんくらい上手く作れたらいいんですけどね、私も」
「えっ…!?」
また、あっとなる。
「…食べたことあるんだ…」
「いや、えっと、たまたまです!!じゃあっ!!行きましょうか慶一郎さん!!」
妙な空気になる。