管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
ふと、押し倒された視界に、足が見えた。
「えっ…」
顔が見えた。花井さんだ。
黙って立ったまま、無表情に見下ろしている。
何!?これは!?
ガバッ!!と飛び起き、南科の頭にぶつかってしまった。
「いてっ!!何!?」
「……花井…さん」
思わず口を突いて出た言葉に、南科が、
「なな、何言ってるの!?」
妙に動揺する。
「あっ!!いや、何でもないです!!ごめんなさい!!やっぱり帰ります!!」
急いで服を整え、髪を梳かすと部屋を飛び出した。
やっぱりだめだ。
もう無理だ。
壊そう。
ハイツを壊そう。