管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
本当に終業時間に戻ってきた南科。寮のメンバーは外で送迎バスを待つ。
トイレに行っていた絢は急いで向かっていたところで掴まった。
「……まだ何か」
目を合わせずに俯いて応える。
「何かじゃないよ!あいつに関わるのはやめとけ」
「関わるって、お仕事の上司と部下みたいなものじゃないですか。最も、私の方は平社員以下ですけどね」
「絢…!!」
周りを見渡し、声を抑える。
「ここでは園でお願いします。人目もありますし。迎えのバスが来ましたので」
乗り遅れたら別に足を探すか、歩きで帰らなくてはいけない。
「ごめんなさい。そういうことなので、あちらにも月1にしか行きません」
「そんな…!!」
「……たぶんもう、誰ともお付き合いはしませんので、ご心配なく」
静かに言うと、
「乗りま~す!!」
走って逃げた。