管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
彼女の
免許は持っていたが、仕事以外では使わず、必要なときはレンタカーを利用していた蒼真。
向かった先は寺だった。
「……お寺…??」
「ここだ」
車を降りると、境内に入る。
「ご無沙汰してます」
住職に挨拶する蒼真。
「久し振りですね!!お元気そうで」
「お陰さまで」
微笑んで返す。知り合いのようだ。
「お参りに来ました」
「ああ、もうそんなになりますか」
「…あのう…??ここは??」
独り取り残された空気に、恐る恐る声を掛ける絢。
途中で買ってきた花と関係あるのだろうか。
それを持って奥へと進む。無縁仏の集められた場所らしい。
その一角を見て驚く。
「……花井…けいこ??」
「慶子(キョウコ)って読むんだ」
花を手向け手を合わせる。
「自殺、だよ」
「えっ…!?」