管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
出されていたお茶を飲むと、
「そんなことより、パーキングの件も、お願いします」
「構いませんが、身内割り引きはしませんよ」
「いいじゃないですか。負けてくれたって」
「お嬢さんのことは気に入りました。あなたが折れるなら、むしろタダにしましょう」
絢に微笑む。
「折れるって、何にです??」
「跡継ぎに決まってるでしょう。この子と夫婦になって、お寺を継いでください」
ハーッとため息をつくと、
「できません。こちらの都合でそんな勝手なこと」
「嫌ですか??」
「はっ…??」
住職に、いきなり話を振られ戸惑う。
「こんな愚息ですけど中身はいい子です。よかったらお付き合いだけでもしてみてあげてもらえませんか」
「愚息って…」
「ああもう、いいから!!帰るぞ!!」
言うと立ち上がり、境内を出ようとする。
「待ってくださいよ。じゃあまた」
「いいお返事、待ってます」
まさに仏様のような笑顔で合掌された。