管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
彼は
「本気にするなよ?誰彼構わず言ってるんだからな」
帰りの車内で。
どうともいえない表情だ。動揺を隠しているようにも見える。
「しませんよ。いいお父様ですね、そういえばお母様は??」
社交辞令のお世辞だと受け止めよう。けれど、なんとなく嬉しかった絢。
「見えてなかったか??傍にいたぞ」
「えっ!?」
「ああそうだ、霊感ないけどお袋だけは見えるんだよな、俺。去年亡くなって」
「ええっ!?」
改めて小さくなる。
「……すみません。悪いこと聞きました」
「悪くはねえけどな、別に」
「あっ!!そういえば、花井さん、ハイツ、一緒に出るって言ってたんですよね!?…どういう意味でしょう…」
なんとなく話をそらす。
「……間違えてんだろ、南科と」
「そうなんですか??」
そう願いたいが、なんとなく嫌な予感がした絢。