管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)


南科の顔が恐怖にひきつる。


体が、少し動いた。


蒼真が手元でドアロックを解除すると、自分と助手席のシートベルトのロックも素早く外し、助手席に勢いよく飛び付いた。


「えっ…!?」


いきなり蒼真に膝の上に飛び付かれた絢は、こんなときなのに、ドキドキした。


「……な…?!」


後ろの二人が油断した隙に、ドアノブを引く。


ドアが開いた。


「ううっ!!」


絢を抱き寄せ、外に転がる。


「逃がさない!!」


バリバリバリ!!


不意に巨大な火柱のような稲妻が、車を直撃した。


ドン!!


避雷針が付いているものの、強すぎたそれは、ガソリンに引火した。


ドン!!


という爆発音と共に、一瞬で火の海に包まれた。


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