管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)


うっすらと、目が開く絢。
白い天井が見えた。


「…ここは……??」


病院のベッドのようだ。


「絢!!気が付いたのね!?」


傍らにいた母が絢の手を取る。
頭には包帯も巻かれた感触があった。


「……蒼真さんは?!」


「…集中治療室で。まだ意識は戻らないわ」


「あっ!!南科さんは!?」


忘れていた。


「後部座席で、即死だったそうよ」


「……そう…」


思ったほどのショックがない自分に驚いていた。


「蒼真さんのところに行かなくちゃ」


起きようとするが、体が言うことを聞かない。抑えようと慌てる母。


「まだ寝てなきゃダメよ!!今、目が覚めたばかりじゃない!!」


「だって、連れていかれたら」


「何の話??」


不思議そうな母に、もどかしげに、


「南科さんの自殺した彼女さんがいて、でも本当は蒼真さんのことが好きだったの。連れていかれてしまう…」


「どっちにしても今は面会謝絶よ!?」


「……ああ…そうなんだ」


起こした体を、力なくベッドに戻す絢。



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