管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)


―――それから3日後。


ようやく意識を取り戻した蒼真。


見舞いに通い、外で見ていた絢が中に入ると静かに微笑んだ。


「………迷惑、……掛けたな」


目を赤く泣き腫らし首を振る絢。


「……安心しろ。これでいつでも出ていける。どっか遠くに消えるよ俺は」


「…行かないでください…!!」


声を絞り出した。


「……壊すんだろ??」


「…喋らないで、大丈夫ですから」


それだけ言うのがやっとだった。


「ありがとうございます…。帰ってきてくれて」


手を握り締めて顔を埋めた。


あの火の中、顔も体も、火傷だらけで助け出し、守ってくれたのだ。


自分はほとんど無傷なのに。


「…蒼真さんが、好きです」



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