管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)
蒼真の病室に戻った絢。
「………??どうし…」
言って止まる。
明らかに様子がおかしい。
「……園……??いや、まさか」
「そのまさかよ」
仮面のように無表情なまま、口だけが動く。
「おい、やめろ…」
「代わりに彼女を連れていくことにしたわ。じゃあね、さようなら」
「園は関係ないだろう!?」
思わず叫んで噎せる。
まだ声も満足に出せない。
「そんな醜い体、もういらないわ」
「お前……!!園まで巻き込んで、そんな言い方」
「生まれながらにして私も綺麗。だから綺麗な遺伝子が欲しくて、顔が綺麗なあなたに惚れて、声も綺麗だからもっと惚れたの。なのに愛してくれない。私の何が気に入らないの??」
「心が、醜いんだよ」
「ふん!!綺麗ごとよ」
ベッドで身動きが取れない蒼真に近付くと、
「残念だったわね、彼女は仲間にするわ」
勝ち誇ったように、耳元で囁いた。