管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)


蒼真の病室に戻った絢。


「………??どうし…」


言って止まる。
明らかに様子がおかしい。


「……園……??いや、まさか」


「そのまさかよ」


仮面のように無表情なまま、口だけが動く。


「おい、やめろ…」


「代わりに彼女を連れていくことにしたわ。じゃあね、さようなら」


「園は関係ないだろう!?」


思わず叫んで噎せる。
まだ声も満足に出せない。


「そんな醜い体、もういらないわ」


「お前……!!園まで巻き込んで、そんな言い方」


「生まれながらにして私も綺麗。だから綺麗な遺伝子が欲しくて、顔が綺麗なあなたに惚れて、声も綺麗だからもっと惚れたの。なのに愛してくれない。私の何が気に入らないの??」


「心が、醜いんだよ」


「ふん!!綺麗ごとよ」


ベッドで身動きが取れない蒼真に近付くと、


「残念だったわね、彼女は仲間にするわ」


勝ち誇ったように、耳元で囁いた。


< 74 / 91 >

この作品をシェア

pagetop