管理人は今日も憂鬱(イケメン上司と幽霊住人の皆さん)


「間に合いました!!」


勢いよくスライドドアを開いて、袈裟姿の崇雲が飛び込んできた。


「はっ!!」


ぱちん!!


油断した絢の額に、お札を叩き付けた。


「アアアッ!!!」


目を見開いて絢が一瞬固まり、じろりと睨み付ける。


数珠を手に身構える。
余力で暴れるかもしれない。まだ気を抜けない。


「うううっ…!!!」


悔しそうに、苦しそうに、呻く。
そして、芯をなくしたように崩れた。


ぜえぜえと息を切らし、経たり混む崇雲。


「…ああ、危なかった。…もしやと思っていたのですが、慶子さんの怨念が強すぎて、お札を作るのに手こずりました」


「……いえ、助かりました、ありがとうございます」


声が重なり、ふっ、と多奈川が抜けた。


ベッドに崩れた蒼真。



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