いるりを見たら思うこと
ゴミ箱の横でしゃがんでると、いるりがやってきた。
「なんで来んだよ。来んなって言っただろ?」
「ごめん。来てほしいって聞こえたから」
「言ってねーよ。バカ」と、停めてあった自転車の施錠を外した。
「飲む?」と、自転車のカゴにさっき買ったジュースをいれた。
「親切で可愛い店員さんがレジにいたよ」
しばらく黙ってた。
「こいでやろうか?」と、後ろから声をかけると、「お前、家帰るの遅くなるだろ?」と言った。
ただでさえ、ここまで来るの面倒くさかったくせに、と呟いた。