いるりを見たら思うこと
「いるりの働いてる姿が楽しみだったから、面倒くさくなかったよ」
そう言ったら、「バカ」と言った。「特別、こがしてやるよ」って、偉そうに。
自転車の荷台に、いるりを乗せた。細いし小さいから、本当に軽い。
「夜一」
「なに?」
「ごめん」
「悪いことでもしたの? 俺に隠れて」
「そうじゃなくて」
「じゃあ、なに?」
「いつも口悪くて、怒ってばっかでごめん」
「可愛く言ったら赦してあげるけど」
「またそれかよ」
「どうするの?」
「ごめんなさい」
「媚びてみてよ」
「はっ? 媚び?」
「早く」