いるりを見たら思うこと
開けてみたら、想像を裏切らない、まるとも三角とも言えない、いびつなおにぎりが入っていた。
お世辞にも「うまそう」とは口に出ないけど、「嬉しい」なら言ってしまいたくなる。
「あ……あたし。飲み物買ってくるからな。食ってろよ!」と、彼女は慌てて席を立った。
たぶん、目の前で食べられるのが嫌だったんだろう。
手を合わせて、おにぎりから口をつけた。
……塩つけすぎ。
いるりみたいな、大味。悪くないか。
梅干しはなぜか、いちばん下にいたけれど。
それにしても、帰ってくるのが遅い。俺が食べ終わるまで帰って来ない気なのかって、辺りを見渡した。