いるりを見たら思うこと
すると、なぜかがっかりしたような顔のいるりがこっちに向かって来ているのを見つけた。
「いるり」
「あー。食べたか?」
「なにかした?」
「なんでもねーよ」
「なに持ってるの?」
いるりの手に握られた紙切れを軽く引っ張ってみたらするりと抜けた。
「ああっ」
空にかざすと、小さないるりが手を伸ばすけど、届きようもない。
「相性占い?」
「見……見るな!」
何度もジャンプをするいるりの抵抗も空しく、はっきり読みとれてしまった。
そこには、俺の名前といるりの名前が書かれていて、相性度、20パーセントとでかでかと表示されている。
続きを読み上げてみると、いるりはなにも言わなくなった。