いるりを見たら思うこと
今はと言うと、夕食のカレーを各班ごとに作る準備をしていた。
蚊に刺されすぎて、いるりは多少怒り気味だ。
「水、汲んでくる」と、鍋を抱えた。
「俺、行くけど」
だって重いだろうし。小さないるりが持ってくるのは大変だろうと思った。
それなのに、「大丈夫だよ」と、意地を張って水飲み場へと向かっていった。
転ばなきゃ、いいけど。
それから、数分後のことだった。
いるりが人に支えられながら、戻ってきたのは。