いるりを見たら思うこと

どうしようかな、と考えた。

手を止めて、覗き込むと目を閉じてる。ふて寝しようとしてるらしい。

「いるり」

「……」

「いるり」

学習能力がないな、と思う。無防備にも程がある。

デニムのスカートから伸びたレギンスを履いた細い脚。

なんだかな。

びくともしそうにないので、そっと覆いかぶさってみた。かぷっと耳を甘噛みすると、「あああっ」と全身を震わせながら目を開けた。

相変わらずすごいリアクション。全身が性感帯みたいで、なんだか心配になる。

「夜、夜一」と、耳たぶを押さえて俺を見る。

「そろそろいいでしょ?」

言ってたみたら、「いいわけねーだろ。バッキャロー」と、俺を突き飛ばした。

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