いるりを見たら思うこと
「ああ。あの頃の濱田さんは、好きにしていいって言ってたのにな」
約束が違う、なんて百パーセント冗談で言ったのに、「そんな約束忘れた。触んなバカ!」と本気で睨まれた。
そこまで拒否しなくてもいいだろうに。
「夜一なんかエロの塊だ。バカ」
照れ隠しなのかと思うけど、どうしてこうも言葉遣いが悪いのだろう。
「じゃあいいよ。触んない」
その日の喧嘩(と、いうよりも、いるりが勝手に怒った)はそれで終止符が打たれたのだ。