HERO
その後、私と健はヒーローショーを楽しみ、藤居くんは、怪人になってやっつけられた――――――




藤居くんの仕事が終わるまで、遊園地の中で遊び、親子共に疲れてしまった。


でも、ほんっとぉに楽しかった。

時間を見計らって車に向かうと、藤居くんがもう荷物を積み込んでいた。


藤居くんは、もう隊員服ではなかった。


「あれ?隊員じゃなくなってる!」

「今日はもう、お仕事は終わったからね。」

「ふぅ~ん。……」


「ん?どうした?」


「あのちゃあ、ママとお兄ちゃん、おんなじにおいがちゅるね。」


――――えっ?

「そ…そお?」

さっきまで、どこまでもスラスラと説明してた藤居くんが、何も言えなくなってる…


「車のにおいじゃない?いっしょにのせてもらってきたし。ねぇ。」

「ちがうよ。ママのちゅきなケムリのでるやつのにおいだよ!」




――――ッッッ?!



昨日の夜だ!


藤居くんの上着、昨日のと同じ!


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