HERO
#14 『どうにもならない…』
一気にトーンダウンした雅史は、溜め息をつきながらソファーに座った。
「…俺、いろいろ悩んで、昨日、会社に辞表出してきたんだ…
ひとみちゃんと健と離れて暮らさなきゃいけない生活って、やっぱり良くないと思ってさ…
でも、すんなり受け取ってもらえなくて…
しばらく、休暇もらうことになったんだ。
なんか、すっごいうれしくて、すんごいワクワクしながら帰ってきたんだよ、俺…
なのに…
なのに、なんだよ、これ…」
――――胸が痛かった…
でも…