HERO
「…勝手なことばっかり言わないで…
今まで、ずっとほったらかしだったくせに…
どれだけさみしかったか…
どんなにがんばってきたか…
健のことで相談にのってくれたこと、ある?
私は一人で健を育ててきたの。
大丈夫じゃなくても、大丈夫としか言えなかった…
でも、気付いてくれたのよ、私が大丈夫じゃないってことに!
大丈夫って言っても、大丈夫じゃないってことに!」
――――わけのわからない言葉ばかりを並べて、雅史を責めてしまった。
私が悪いのに…