HERO
「こんな無謀なことする人だったっけ?藤居くんって… 住所も知らないのに探せるわけない……」



言い終わる前に、抱きしめられた。



「……会いたかったんだよ…」


背の高い藤居くんが、チビの私の頭の上でつぶやいた。



…広い胸だった。

力を入れすぎないように、できるだけそっと抱きしめてくれてるのがわかった。

それが、なんだかものすごくいとおしくなって、私はできるだけギュッと抱きしめた。



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