HERO
久しぶりに健とお風呂に入り、寝かしつけてくれて、雅史がリビングにもどってきた。


私は、キッチンの片付けも、もう終わっていたけれど、なんとなく、雅史と向き合うのが怖くて、まだガチャガチャと、やらなくていい片付けまで手を出していた。





…………っ!





雅史が後ろから抱きしめてきた。


必要以上にビクッとなる私に雅史が耳元で囁いた。



「…どぉしたの?」




「……ぅ…うん… ごめん。」

またちょっと笑ってごまかした。



雅史は、そのまま私の胸に手を伸ばしてきた。




―――やだ…やめて…



でも、断る理由はない…


久しぶりに帰ってきたんだから、こうなることはわかっていた。



「ちょ…ちょっと待って。手に洗剤がついてるから…」



そう言って、手を洗っている間も、雅史はもう待ちきれないようすで、服の中に手を入れてきた。






――――どうしよう…




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