HERO


―――しばらくして、タクシーがやってきた。

私と健に見送られながら、雅史はまた出掛けていった。



今度はいつ帰ってくるのだろう…



見送りながら、

雅史に手を降りながら、


私は…



私は、あんなに決心したにもかかわらず、藤居くんのことを想っていた…



なんて自分勝手な…



なんて、ひどい人間なんだろう…私って…




「ママ、ウカレンジャーに会える?」


「うん。電話してみるね。」


「うん!」





…………っ?!



「電話してみるね」じゃないでしょ!



ダメだ、私…




でも、




電話してみよう…





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