HERO
#9 『再燃』
ヒーローが来たうれしさをひとしきりしゃべりまくって、健は寝てしまった。
ひとり、ビールをのみながら、ぽつんとソファーに座ってる私は、ただただケータイとにらめっこをしていた。
藤居くん…
かけようか…
やめようか…
そこへ…
♪♪♪♪♪♪~
…っ!
ケータイが鳴った。
――――雅史からだった。
「もしもし。」
「あ…オレ。健はもう寝ちゃったよな…」
「うん。」
「やっぱり、しばらく帰れそうにないんだ…」
「…そっかぁ。」
「…ひとみちゃん、俺、寂しくない訳じゃないんだよ。ひとみちゃんとも一緒にいたいし、健だってかわいくてしょうがないんだよ…。帰る度に大きくなってるのを感じると、毎日毎日、一日一日の健もみていたいんだ… けど…」
雅史は自分の気持ちをゆっくりと、じっくりと話していた。
私は、あいづちを打ちながら、聞いているようで聞いてなかったのかも…
「…だから、もうしばらく待ってて。なんとかするから。」
「………。」
「ひとみちゃん、聞いてる?」
「え…うん。いいの、もう。無理しないで。健には明日、パパから電話があったこと伝えとくから。もう遅いし、寝て。私も寝ます。おやすみなさい。」
私はかなり冷たく電話をきってしまった。
―――――このとき、もっと丁寧に雅史に向き合ってあげてたら…と、後から考えることになるとは思ってもいなかった。
雅史との電話を切った後、なぜか、もう迷うこともなく、藤居くんに電話をした。
ひとり、ビールをのみながら、ぽつんとソファーに座ってる私は、ただただケータイとにらめっこをしていた。
藤居くん…
かけようか…
やめようか…
そこへ…
♪♪♪♪♪♪~
…っ!
ケータイが鳴った。
――――雅史からだった。
「もしもし。」
「あ…オレ。健はもう寝ちゃったよな…」
「うん。」
「やっぱり、しばらく帰れそうにないんだ…」
「…そっかぁ。」
「…ひとみちゃん、俺、寂しくない訳じゃないんだよ。ひとみちゃんとも一緒にいたいし、健だってかわいくてしょうがないんだよ…。帰る度に大きくなってるのを感じると、毎日毎日、一日一日の健もみていたいんだ… けど…」
雅史は自分の気持ちをゆっくりと、じっくりと話していた。
私は、あいづちを打ちながら、聞いているようで聞いてなかったのかも…
「…だから、もうしばらく待ってて。なんとかするから。」
「………。」
「ひとみちゃん、聞いてる?」
「え…うん。いいの、もう。無理しないで。健には明日、パパから電話があったこと伝えとくから。もう遅いし、寝て。私も寝ます。おやすみなさい。」
私はかなり冷たく電話をきってしまった。
―――――このとき、もっと丁寧に雅史に向き合ってあげてたら…と、後から考えることになるとは思ってもいなかった。
雅史との電話を切った後、なぜか、もう迷うこともなく、藤居くんに電話をした。