HERO
「もしもし…」
「お!待ってたよぉ。今から行くわ。」
「えぇっ?今から?」
「うん。…っていうか、外にいるんだけど。さっき着いた。いきなり行って、健ちゃんが起きてたらマズイかな、と思ってさ。」
「…うん。来て。健も寝たし。今、玄関開けるね。」
玄関を開けると、藤居くんの車が停まっていた。
車のドアが開いて、出てきた藤居くんは、なんだか大きな袋を抱えていた。
…でも
顔をみた瞬間、そんなことはもうどうでもよくて、思わず駆け寄って抱きついた。
「…ひとみ?どうした?」
「……会いたかった。」
「ひとみ…」
前のキスより、もっともっと深くて、熱いキスになってしまった。
しかも、もう一歩進んで玄関前…
「ひとみ…荷物重い…」
なかなか唇を離せない私に、藤居くんがやっと言えた感じでつぶやいた。
「あ!ごめん!」