HERO
「…ひとみ。」
藤居くんが私の腕を引き寄せて、やさしく抱きしめた。
「オレさ、ひとみが寂しいときの穴埋め役でいいんだ… ひとみが旦那さんのこと好きなのは、ひとみの話を聞いてればわかる。でも、オレ、もうひとみのこと…… 」
そう言って藤居くんは、私を抱きしめている腕にギュッと力を入れた。
「…藤居くん……」
私は冷蔵庫のドアに押し付けられ、藤居くんは激しく唇を重ねてきた。
抵抗……
そんなことはまるで考えなかった。
むしろ、私の方が迎え入れた感じ…
こうなると、もうストップできない…
くちびるに…
首筋に…
藤居くんのキスを受ける…