HERO
気がすむまで、しっかりと抱きしめあった後、藤居くんが私をみつめて、ニッと微笑む。


私も、微笑み返す。




「…汗だくだぁ。先にシャワー浴びてきて。」

「うん… ひとみぃ… いっしょに行こうよ。」


ぇえっ?

今更ながら、恥ずかしくなった。



「やだぁ!藤居くん、一人で行ってきてぇ!」

「ぶはははっ!なに恥ずかしがってんの? まったく… お風呂、どこ?」


――――――っっ!

「お風呂、どこ?」と聞かれて、急に現実に戻った。

わ…私…
何しちゃってるんだろう…

「…あ、あのドアの向こう…  タオル、出しとくね。」

「おうっ!じゃあ、お先!」


藤居くんはさっさと行ってしまった。




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