HERO
「………ママ?」
健が起きてきた!
ど、ど、ど、どおしよぉ~っ!
「…おしっこ。」
眠そうに目をこすりながら立っている。
「…あぁ、トイレ行こうねぇ。」
健をサササッとトイレに連れていき、寝室へ送り込んだ。
とりあえず、健に添い寝して、寝かしつける…
…早く寝てぇ~!
「ママ、おふろ入ってたの?」
「う… うん…。そうだよ。」
――うひゃぁ~… 一緒に入らなくてよかったぁ。
健は、そのまま眠った。
――――はぁ~…
そぉっと、ベッドを出て、藤居くんにタオルを届けた。
「今さぁ、健が起きちゃって…」
「ええっ!バレた?」
「ううん、大丈夫。」
「そっかぁ。俺、今日は帰るよ。また健ちゃんが起きてきたらまずいしね。」
「…そうだね。なんか、ごめんね、コソコソしなきゃいけなくて。」
「いやいや、俺の方こそ、なんか…ごめん…」