HERO
#10 『もとめるのは…』
やっぱり…
やっぱり、もう、どうしようもないくらい、私は藤居くんが好き。
できることなら、なにも考えずに藤居くんと二人、どこかに消えてしまいたい。
…でも、
できない。
…でも!
やっぱり藤居くんが好き。
…でも!
…でも!
一晩中、ぐるぐると同じことの繰り返しで、頭の中がいっぱいだった…
窓の外が明るくなるころ、また、おかしな結論に達した。
―――――やっぱり、このまま、バレなきゃいいんだ。