HERO
「健ちゃん!どおしたの?」
「…ママァ~、いなくなっちゃいやだよぉ~」
「やだぁ、いるじゃない、ちゃあんと。朝ごはん作ろうかなぁ、と思って降りてっただけよ。」
「…だってぇ。だってちゃぁ…」
「…んもぉ、ママのかわいい子ちゃんは、だっこしてってあげよぉかな!」
ベッドから抜け出たばかりで、まだぬくぬくしてるカワイイ健を抱いて、リビングへ…
「朝ごはん、何食べようか?」
「目玉焼き!」
「了解!」
いつものような朝だ。
何もなかったよう…
でも…
キッチンに入るたび…
冷蔵庫に触れるたび…
フラッシュバックって、こんな感じなのかな…
どうあがいても沈めても、私の心は…
私の体も…?
藤居くんをもとめてしかたがない。
次はいつ会えるんだろ…