喪失の蒼
あの日のことを思い出すと今も胸が苦しくて、どうしようもない、何か黒く大きなものがのしかかるようなそんな感覚に捉われてしまう。
この街にいれば何れまたどこかで再会してしまうだろう。
だからこそ早く、もっと早く行かなければならないのだ。あの人たちのいない遠いどこかへ。
これ以上傷付きたくもない、それにあの人とあの人が愛する人との幸福を祈れるほどわたしは出来た人間なんかじゃないから。
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