喪失の蒼

「うん。友達の紹介で会って意気投合してさ。」

穏やかな笑みで、彼女を見つめ肩を抱く。
ズキンズキンと鼓動が鳴り止まない。

「へ…へぇ…。知らなかったな。遅くなったけどおめでとう。
あ、初めまして、…お、奥様。わたし以前職場の同僚だった者で…」

声を上擦りさせながら言葉を繋げるけれど、相手はあまり気にしてはなさそうだ。
きっと顔面蒼白だろう、冷や汗が止まらないわたしを後目に彼女はにこりと見惚れるような愛らしい笑顔を浮かべて軽くお辞儀をしてそれを吐く。

「初めまして。主人がお世話になったようで、ありがとうございます」
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