びいだま。
出会い
引越し
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ミーンミンミンミーン ミーンミーンミンミーン
蝉の鳴き声がそこら中からする。
わんわんと、頭に響くほど...はっきり言ってうるさいくらい。
俺は車通りのそう多くない広い道路を
4、5年前くらいに父さんが買って結局ほぼ使っていなかった
軽自動車に乗って進んでいた。
人通りがまばらになっていく様子を眺めるのにも、そろそろ飽きてきた。
そこら中畑、田、森。
民家なんてたまに集落になっている所を見かける程度で、
ビルに囲まれた都会に産まれ
狭い道に排気ガスとビルの一角から見える
灰色の空の下育った俺からすれば
のどか、というよりド田舎と言える。
ちょくちょく長めのトンネルがあるせいで
視界がチカチカする。
まだ俺にはここで楽しく暮らしていく自信はない。