びいだま。
「それは大丈夫です。元から、
そこまでやんちゃできる体ではないので。」
自分のワイシャツの首元からのぞく、
不健康に青白い肌をじっと見つめる。
皮膚を押し上げているのは骨だけと言っても過言じゃない
そう、医者に言われている。
「あぁ、そうだったな」
苦笑いしながらハンドルをきる叔父さん。
「もともと、療養の為にここ来てんだもんなー
遊び回ってたら元も子もないか」
「...はい」
僕の住む家は、四方を雑木林や海に囲まれていて
療養にはもってこいらしい。
まあ引っ越す理由は、それだけじゃないけど...
「凪咲くん、 あの家には君のほかに
もう一人男の子が来ることになってるんだ...
ただその子がちょっと癖があるわけで...やっていけそうか?」
苦々しい表情の叔父さんから、なんとなく察する。
覚悟はしておくつもりだけど、そこまで気にしない。
もともと、人とは関わりを持たないようにしてるし。
「大丈夫です」
「ま、でもその子がいるのは夏休み中だけだから」
それに...と叔父さんが続ける。
「君の心臓に悪いことはさせないから。ね?」
───君の心臓に悪いこと...か。