貴方がつまらない日々から救ってくれた
one .
――――――――カリカリ、カリカリ、
カリカリ、―――――――
午後11になる頃、紫乃はまだ寝ずに勉強していた。
午後四時半に帰宅、それからいつもの仕事である、会議用資料を英語、フランス語、中国語、などの5ヵ国語に直す。
そして学校の勉強を欠かさずやる。
一番の成績でないと両親が許さないから。
いや、私を許さないというよりは家柄のプライドが許さないんだろう。
それでも誰1人私を認めない。
「聖怜財閥の娘なんだから当たり前。」
「聖怜財閥の娘は何でもできるはずだ。」
聖怜財閥なんだから、、、
いつもこの言葉がまとわりつく。
もちろん両親も。
だって私は――――――――――――――
―――――――― なのだから。
財閥にとってはお飾りくらいにしか思われていない。
ただの使用人。