あなたとわたしと、そしてあなたと。
しばらくすると先生達が部屋から出てきた。


「あ、そちらの方は先日の…ご迷惑おかけして大変申し訳ありませんでした。お怪我はございませんでしたか?」

と先生がアスランさんに改めて挨拶をする。

「こんにちは。ああ、大丈夫ですぜ。無事で良かったです。」

というとアスランさんは一礼をして私の頭をぽんと撫で、耳元で「連絡…待ってる」と囁いて仕事場に戻っていった。


なんてかっこいいんだろう…今離れたばかりなのに、すぐに会いたい。もう一度あの声で話をしてほしい。
アスランさんの全てが男らしく、かっこよく見えた。


そして帰り道。


先生は不服そうな顔をしていた。



私は何かしてしまっただろうかと考えるも、いつも温厚で優しい先生のこんな表情を見るのは初めてで、口を開くことはできずずっと黙ったままだった。


気まずい沈黙を破ったのは先生。



「ねえ…真里愛さん。あの方と何を話していたんですか?」


と少し寂しげな声で先生が言う。



「えっと…先日のお礼やアスランさんの出自を聞いたりしていました。」



「へえ…アスランさんと仰るんだね。」



「はい…」



連絡先を交換したなんて、私は言えなかった。



「で、帰り際に何か囁かれていたようだけど…」


「え…?そ、それは…」



思い出してまた私の顔が熱くなると先生は少し顔を歪ませた。
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