その背中、抱きしめて 【下】
「ヤキモチ嬉しいの?」
「嬉しいよ。だって好きだからヤキモチやくんでしょ。嬉しくないわけないじゃん」
そうなんだけど。
でもなんかヤキモチとかうっとおしくないのかな…。
『アイツ重いでしょ』
『重くないよ』
清水くんとのやり取りを思い出す。
私と清水くんが話してて高遠くんが割って入ってくると、必ず清水くんは『重い』って言う。
『ヤキモチ重い』って。
だけど私は重いなんて思ったこと1度もない。
そっか。
そういうことなんだ。
他人から見たら重いかもしれないけど、妬いてる本人も重いって思っちゃうけど、妬かれてる方は嬉しいんだ。
(…過度なヤキモチは重いけど…)
急に愛おしくなって、高遠くんの左腕にしがみついた。
顔が緩んでしょうがない。
「先輩?どしたの?」
「ヤキモチやいてんの」
ほんの一瞬の間のあと
「かわいー」
大きな手が私の頭をくしゃくしゃって撫でた。
高遠くん。
私、付き合い始めた頃より、ヨリを戻した時より、ずっとずっと今の方が高遠くんのこと大好きだよ。
最近、どんどん高遠くんのこと好きになるよ。
今はかわいいヤキモチかもしれないけど、そのうち本当に重いヤキモチになっちゃうかもしれないよ…?