その背中、抱きしめて 【下】



高遠くんのキスはいつも甘い。


最初は触れるだけ。


ついばむように、そっと合わせるだけのキスをいくつもいくつも落としてくる。


それから


少し離れて、私の目を見る。


熱を帯びた瞳で。





その熱っぽく揺れる瞳が合図。





腰と後頭部を強く引き寄せられた瞬間、何も考えられなくなるような深い深いキス。


高遠くんの熱くて甘い舌に思考回路をショートさせられる。


甘すぎて苦しくて、息が上がる。



限界寸前で高遠くんの唇が離れて、ようやく口から空気を吸い込めた瞬間

今度は首筋に温かくて柔らかい感触が触れる。

ほっぺたに柔らかい髪の毛が触れる。


「ひぁ…っ」


初めての感触に、小さく声が出た。


反対側の首筋にも温かい感触を感じると、片手で器用にセーラー服のスカーフをスカーフ留めから抜かれる。

そのまま胸当てのホックを外されて、胸当ての隙間から覗いた肌にもキスを落とされる。


高遠くんのもう片方の手がセーラー服の裾から入ってきて、直接背中に触れた。



どうしよう…ドキドキしすぎて心臓が止まりそう。

怖いけど嫌じゃない。

でもやっぱり怖い。

私、このドキドキに耐えられるのかな。

本当に心臓壊れちゃうんじゃないかな。



セーラー服の脇ファスナーを開けられて、袖のボタンを外される。


(脱がされる…っ)




ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン



恥ずかしさが最高潮になった時、インターホンが3回鳴った。


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