その背中、抱きしめて 【下】
そういえば、内村さんジャージの上からでも胸大きいのがわかった。
男なんてみんなボインが好きじゃん。
高遠くんだって例外じゃないでしょ。
お色気ムンムンの内村さんと高遠くんのベッドシーンを想像してパニックになる。
「落ち着きな、おバカ」
視界が遮られて、目に冷たい感触が広がった。
お姉ちゃんに冷たいタオルを乗せられたんだ。
「やっぱ翔くんのことか。狙われてんだ?」
冷たいタオルで少し冷静さを取り戻して、お姉ちゃんに白状する。
「高遠くんの中学の後輩で、ありえないくらい高遠くんラブな子が男バレのマネージャー希望で昨日仮入部したんだ。それで、昨日高遠くんその子と帰っちゃって…」
「それで、そのザマだ」
だって普通いないよ、あんな積極的で自己中な子。
「翔くんは大丈夫じゃない?一本筋が通ってる子じゃん」
「でもボインで女の武器全部使う子なんだよ。しかもすっごい甘え上手!」
話してるうちに興奮して、またタオルが目から落ちそうになる。
「おとなしくしてな」
お姉ちゃんに上からグッとタオルを押さえられた。
「まぁ今の話聞くだけじゃ柚香とは正反対っぽいし、女には徹底的に嫌われるけど男は守ってやりたくなるタイプかもね」
そう、その通りだよお姉ちゃん。
だからきっと高遠くんだって…。
「でも、翔くんを信じてあげたら?それでもダメならしょうがないってことで」
「お姉ちゃんヒドイ!」
今度こそ目からタオルが落ちた。